私には価値が無い。

30過ぎの地味女が気持ちを整理する為、ネガティブを綴る。読んでくださった方の反面教師になれれば幸いです。

【ネタバレ注意】金田一少年の事件簿『首吊り学園殺人事件』の感想:ある少年の両親の気持ちを想像すると泣ける

 

金田一少年の事件簿File(8) (講談社漫画文庫)

金田一少年の事件簿File(8) (講談社漫画文庫)

 

私は『金田一少年の事件簿外伝 犯人達の事件』コミックスを愛読している。

最新刊には『首吊り学園殺人事件』が登場するようだ。

 

↑作品掲載時期の絵柄を再現されている船津先生、凄い。話毎に顔つきが微妙に違う。

 

私は、本編を予習してから外伝を読む派だ。逆(外伝→本編)だと、外伝の内容がカオス過ぎて、ただのギャグ漫画になってしまう。面白いけど。

 

今回も私は『首吊り学園殺人事件』を予習した。と言っても、初期作品は一通り読んでいるので、再読になる。

 

懐かしい~と思って読んでたら、最後の最後に涙が出そうになった。

人の命を奪った

罪は重いけど

そこまで息子のこと

想ってくれた

あなたのこと

感謝してます

これは、ある少年の両親から、事件の犯人への伝言である。

 

今回は、この両親について、色々妄想したい。

 

ネタバレ注意だが、なるべく事件やトリックに触れないようにするつもり。

 

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『首吊り学園殺人事件』について、さっくり説明。

 

【登場人物】

※レギュラーキャラクターや、この記事に関係ない人は除く。

 

  • 深町君→犯人が殺人事件を起こした理由となる存在。故人。
  • 深町君の両親→話題に上がることはあるが、実際には登場しない。今回の私の妄想の対象。
  • 犯人A→深町君を死に追いやった人物への復讐をする。
  • 被害者B→深町君を死に追いやった人物。犯人Aに殺される。被害者Bは複数名の総称とする。

※犯人A、被害者Bは、A・Bのみ表記する場合あり。

 

【首吊り学園とは】

進学率が高いことで有名な予備校。一方、毎年受験ノイローゼで未遂含めて何人もの生徒が首吊りをするため、首吊り学園とも呼ばれている。

 

【事件について】

はじめと美雪が入学する1年前に、深町君が首吊り自殺した。原因は受験ノイローゼとされた。

その後Bが首吊りで死んでいくので、深町君の呪いでは? とも噂になる。

一部予備校生達の間では、深町君がBにいじめられていたことを知っていたのだ。

最終的にはじめちゃんは犯人Aを突き止める。

Aと深町君は親密な仲だったため、Aは復讐として、Bを殺したのだった。

 

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深町君と深町君の両親について。

 

深町君の両親は、会話の話題としてのみ登場する。

  1. 息子が生前描いた絵を予備校に飾らせる。
  2. Aに対し、感謝の気持ちをはじめちゃんを通して伝える。

 

深町君はこんな少年だった。

  • いじめで高校に通えなくなった。
  • 美大進学を目指すため、予備校に通い、大検をとろうとしていた。
  • 予備校でAと出会い、親密になる。
  • 予備校でBにいじめられる。

 

私はこれらの情報から、妄想した。

深町君の両親は知ってたんだと思う。

予備校で、深町君が良い出会いと希望を見つけたこと。そして、いじめを受けていたこと。

 

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深町君の両親はどんな想いだったのか。

 

深町君が予備校に通い出したのは、両親のすすめからだった。しかし、すぐには馴染めず、予備校を休む日もあった。

やがて、深町君はちゃんと予備校に通うようになる。友達も出来たようだ。両親はきっと少し安心しただろう。

 

一方、深町君はBから理不尽な暴力を受ける。顔に傷がついていれば、本人がごまかしても、両親は薄々感じるだろう。

深町君が不登校の原因がいじめなのは、両親も知っている。(※予備校講師も知ってたしね)

 

そんな中、起きてしまった深町君の自殺。受験ノイローゼが原因とされた。

両親はこの時、どのような想いだったのか?

 

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予備校に息子の絵を飾るように頼んだ、深町君の両親。

 

予備校と深町君の両親間で揉めたという様子は、本編では見られない。

両親は予備校に対して、悪意や疑念を抱かなかったのかもしれない。

理由は、死んだ息子の絵を予備校に飾ってほしいと頼んだから。

受験ノイローゼやいじめが原因で自殺した場所に、大切な遺品を寄贈することは、予備校に対して不信感があれば出来ないだろう。

両親は通えなくなった高校ではなく、予備校を選んだ。予備校は深町君にとって、大切な場所でもあったと分かっていたからだろう。

受け取る予備校側は恐らく正直ドン引きしたけど、断りきれず、渋々飾ったと思われる。

 

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認めることは出来なくても、深町君の両親は救われたのかもしれない。

 

※ここからもっとネタバレ注意です。

 

 

 

 

 

 

 

Bが死に、Aが逮捕された後、深町君の両親ははじめに頼んで、予備校に飾っていた絵をAに贈る。

 

「人の命を奪った罪は重いけど

そこまで息子のこと想ってくれた

あなたのこと感謝してます」

 

深町君の死は、自殺ではなかった。

Bからのいじめの果てに殺されたのだ。

真相を知った両親の心情は計り知れない。

 

それまでは、自分達が息子を予備校に通わせたことが原因かもしれない。自分達のせいで息子は死んだのかもしれないと思っていたかもしれない。

 

それがある日、息子をいじめた人物が殺された。犯人は息子と心を通わせ、生きる希望を見出だしてくれていた存在だった。

 

深町君は追い詰められて死んだのではない。自分達含めて周りの人達が、彼の助けになれなかったからではない。ただただ、理不尽に命を奪われたのだ。

 

自分達が知ることの出来なかった事実を知り、自分達が出来なかったことを、自身の人生を全て捨てて、為し遂げたA。

 

行き場のない感情と公に出来ない本音と向き合い、整理した結果、両親は息子が一番望んだであろう形をとったのかもしれない。

それが、Aに絵を贈ることだった。

 

どんな理由があろうとも人の命を奪うことは許されない。分かっているけど、息子のことを想い、復讐を実行したAを、表向きには肯定出来ないけど、感謝している。どこか救われたような想いもあるんじゃないかなと、私は思う。

 

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妄想の読書の楽しみの一つ。

 

この事件を読んで、物語に登場しない公の被害者遺族と、物語に登場する秘密の被害者遺族の、心の繋がりを感じた。

金田一少年作品はトリック・推理メインなので、どうしても被害者遺族の姿や感情は前面に出ないのだけど、だからこそ、こんな風に妄想するのが、結構楽しい。

 

二次創作的に小説を書きたいくらい(笑)。

もちろん、ここに書いた内容は、ただの妄想で非公式である。矛盾や間違っている部分もあるだろうが、こういう読書の楽しみ方も良いじゃないかと思っている。