私には価値が無い。

30過ぎの地味女が気持ちを整理の為、ネガティブを綴る。読んでくださった方の反面教師になれれば幸いです。

本家の嫁って、大変だ……。


f:id:midorikirin:20170803124806j:image

 

私の両親にはどちらも長兄がいる。そしてその長兄が本家の家長となった(本家=盆正月法事に親族一同が集まる家と捉えてください)。伯父の妻、私にとって義伯母にあたる女性は、本家の嫁になる。

先日母と会話した時、義伯母の話題になった。その時私は子どもの頃に感じなかった義伯母の苦労を思った。今回はそれを書き連ねたい。

※呼び名・肩書きは原則私目線で書きます。

今回のポイント

  • バリキャリ&本家の嫁。超ハードワークな義伯母。

  • 20年以上続いた介護&本家の嫁。全てをこなした義伯母。
  • 実家を失った私の両親。

 

■■■■■

 

バリキャリ&本家の嫁。

超ハードワークな義伯母。

 

父方本家の嫁、楓さん(仮名)。今でいうバリキャリタイプで、子どもを産み育てながら、フルタイムの夫婦共働きだった。本家で祖父母と同居していたので、いとこの面倒は祖父母が見ていた。

楓さんはとてもサバサバしていて、家事も一人で完璧にこなすタイプだ。義妹にあたる母は、父方本家にいる間は少々気を遣うようだった。

生まれたばかりの第1子を連れて、父方本家に1週間程滞在したそうだが、祖母からは「楓さんの手伝いをしなさい」と言われ、楓さんからは「手伝わなくていいわよ。あなたはゆっくりしていて」と台所に入れてもらえなかった。板挟みになった母はノイローゼになりそうだったと語った。

 

私も楓さんに対して、苦手意識を感じてしまうことがあった。

本家で法事をすることになった際、私達家族も手伝う側として参加した。

「きりんさん、これを〇〇して」と楓さんにお願いをされたのだが、私は何のことか分からずポカンとした。すると楓さんは「じゃあ、もういいわ」とパパッと自分でやってしまった。私は「使えない、役に立たない奴」とレッテル貼られたのだろうかと、被害妄想した。

あの時の楓さんは、とにかく凄かった。

食器棚の一番上から、大量の湯呑みを出し、お盆を何枚も用意し、来客に茶を出す。

法事後、大量に残った花束を、物置から壷や大きな花瓶を持ってきて、わっしゃわっしゃと生けていく。猛スピードでこなすのに、雑にならずに、玄関や仏壇周りを花で飾った。

 

楓さんの凄さを実感したのは、大学生の頃にようやくだった。

それ以前の私は、気の利かない馬鹿で図々しく可愛げもなく、暗くてブスな姪だった。

子どもの頃、家族全員で本家に帰省し、楓さんが用意した夕食を頂いた。手作りソースが辛くて私は「辛い」と言った。私の親やいとこが「キャベツと一緒に食べると良いよ」とフォローしたにも関わらず、食べ終わった私は「ご馳走様。あー、辛かった」と言った。夕食後、両親から「折角、楓さんが作ってくれたのに、あの態度は何なんだ」と物凄く注意を受けた。激しくKYな自分を猛省した。

 私にとって本家は、正直居づらい場所でもあった。

皆とてもきちんとした方々だったので、緊張した。祖父母はそれなりに父や私達が会いに来てくれることを喜んでくれていたと思う。だけど、本家には賢くて可愛いいとこがいるので、私達が来たところで「孫、万歳!」とはならない。私達よりいとこの方が何百倍も可愛いに決まっているからだ。

後に母から聞かされた話がある。

私が子どもの頃は1~2年に1回は帰省していた。そのことで父は伯父に注意を受けた。

「お前達が何日も滞在すると、楓は休めなくなる。楓は普段働いていて、盆や正月は貴重な休みなんだ。だからもっと気を遣え」

伯父はとても優しい方だった。だからこそ、妻である楓さんのことを考えて、実の兄弟である父に苦言を呈したのだと思う。

その時私はようやく、楓さんの苦労を思った。そして「自分が本家にいる意味の無さ」を感じた。歓迎されてもいないのに、なぜ帰省しないといけないのかと思った。

もう10年近く、私は父方本家に行っていない。物理的に遠いというのもある。会う回数が少ない故に、一方的な被害妄想で楓さんや本家を悪く書いてしまっている。だけど実際は違う。向こうからすれば、私は気の利かない役に立たない親族だ。

それでも、楓さんや本家の方々は義理深い。何年も帰省していないのに、毎年地元名産品を送ってくれる。母方親族に不幸があった時、上質な弔電を送ってくれた(遠方過ぎて、行くことは不可能)。

もし次に楓さんに会うことがあったら、私は土下座しないといけないかもしれない。

こんなクズな姪で申し訳ございません、と。

ただ楓さんには、素敵ないとこがいる。いとこは素晴らしい結婚相手を見つけ、もうすぐ子どもが生まれる。どうか楓さん、可愛い孫を抱きながら「それに引き替え、あそこの家の子はどうしようもないわね。きりんさんは30過ぎているのにまだ結婚もしないのよ」と、思う存分鼻で笑ってほしい。

私には、それ位にしか価値がない。

 

■■■■■

 

20年以上続いた介護&本家の嫁。

全てをこなした義伯母。

 

次に母方本家の嫁、紅葉さん(仮名)について書こう。

母方本家は電車や車ですぐに行ける場所にあった。母方祖母が在宅介護を受けていたので、母はよく本家に帰っていた。盆正月には家族で行った。

紅葉さんは勉強家・努力家だった。もしかしたら、学生時代に専門的な勉強をされていたのかもしれないが、祖母の在宅介護の為に、独学でケア方法を工夫していた。自力で身体を動かせない祖母の為にリハビリグッズも手作りしていた。

紅葉さんと伯父が結婚して間もなく、祖母は病で要介護になった。私が小学生の頃には、本家に介護用ベッドが置かれた。祖母は会話もできなくなっていた。私より年下の兄弟や親族達は、祖母が普通に会話している姿を見たことがないかもしれない。

数年前に祖母が他界するまで、紅葉さんは20年以上在宅介護をしていた。ショートステイや訪問サービスを利用し、私の母等親族も協力していたので、紅葉さん家族は介護だけに追われる生活はしていないようだった。

とは言え、紅葉さんと伯父の苦労は絶えなかっただろう。本家なので、盆正月法事の際は、たくさんの湯呑みと和菓子を用意し、来客や親族に振る舞った。長年本家でお世話になっているお寺のしきたりやルールの細かさにも、夫婦は柔軟に対応していった。

 

紅葉さんについて、忘れられない言葉がある。

祖母の葬式が終わり、直近親族が本家で一息ついていた時、紅葉さんは言った。

「介護は大変だったけど、お義母さんがいたから、こんな風にこの家に親族が集まってくれて、家族親族と関わることができた

涙を浮かべながら紅葉さんは言ってくれた。それを聴いた私は救われたような気持ちになった。もしかしたら母もかもしれない。

紅葉さんは本家の嫁という立場故に、祖母の介護をせざるをえなかった。親族、特に母は紅葉さんに遠慮する場面も多かったと言う。だけど、紅葉さんはこれまでのことを全て肯定してくれたような気がした。

相変わらず愛想が良い姪ではない私だが、紅葉さん・伯父には頭が上がらない思いでいっぱいである。

 

■■■■■

 

実家を失った私の両親。

 

最後に私の両親について書きたい。

長兄が本家の家長になると、親の面倒等を長兄夫婦主導で行うことになる。

楓さんも、祖父母と楓さんの実親、両方の面倒をみないといけなくなっていた。それも仕事を続けながらだ。ほとんど帰省しなくなった頃の話で、詳細を私は知らないのでここでは割愛する。

私の両親は本家に常に気を遣っていた。「私はこの家に生まれた人間だから」と図々しく振る舞うタイプではなかった。特に母は、紅葉さんが自分の母親の介護をしてくれて、自分はその手伝いという構図である以上、強く主張することはなかった。

 

多分、私が中学生位だった頃と思う。

土日なので、久々に家族で母方本家に顔を出すことになった。しかし当日、母がドタドタと私の部屋に入ってきた。 

「兄から連絡があった。用事でバタついているから、今日は来ないでくれと言われた。

私の実家なのに、どうして帰れないの!?

そう言って母は私の前で泣き出した。伯父からすれば全く悪意はない。どうしても都合が悪くなっただけなのだ。

だが、母にとっては「自分には当たり前のように帰られる場所がない」という真実を突き付けられた瞬間だったのかもしれない。

泣いている母に、私は何も声をかけることができなかった。

 

父方本家では、祖母が体調を崩す等色々要因があり、連絡窓口は楓さんのみになった。メールやLINEのやりとりは、父方本家の方々との間で形成されていないようだ。

恐らく父は、会いに行く以外の方法で、自分の母の様子を直接知ることができない状態になっている。父は多忙を理由に頻繁に会いに行けてはいない。これは悪い意味ではなく、父方本家の配慮や気遣いでもあるのだが、実母の様子をすぐに伺えない父は今、どういった気持ちなのだろう。

 

■■■■■

 

悪い人は誰もいない。

でも、誰もが苦しさを抱えている。

 

今まで書き連ねてきた親族達。

誰も悪い人はいない。皆、人として立派な方々ばかりだ。お互いを気遣う気持ちを持っている。だけど、本家もそうじゃない家も、何かしら苦労や辛さを抱えている。誰のせいにもできないでいる。

子どもの頃の私は単純で馬鹿だったので「自分と遊んでくれない、お小遣いもくれない父親本家は最悪!」と思っていたが、それがどれだけ浅はかで愚かな考えだったか。

 

結論、この親族間にあるモヤモヤは、愛想良い孫・姪・娘として、振る舞えない私が悪いことにしよう。

私がちゃんと働いて、素敵な旦那様を見つけて、子どもを産んで、お化粧・おしゃれして、ニコニコと親族達の前に立っていたら、多少空気は明るくなっただろう。

それを一切しない私が悪いことにして、今回は終わりにしよう。

誰かのせいにするストレスは結構大きいからね。ただし、自分のせいにしたところで、何ら改善策はない。

 

皆様、良き夏を。

 

Twitterでも、お盆らしく、親族ネタをぼやいてます。